遠く離れた場所にカメラを設置できるようになりました



この度、ブラックマジックデザイン社の ATEM Camera Converterと、Studio Converter を導入いたしました。
この機械は、カメラとスイッチャーの間に接続して使う機器で、この機械が無かったこれまでは、HDMIケーブルを用いた場合は約5m、HD-SDIの同軸ケーブルを用いた場合は約110mという制限の中でしか、カメラを離すことが出来ませんでした。

110mあれば、たいがいの現場はまかなえるのですが、これまでもスキー場での中継や、階を隔てた中継などで110mでは足りない場所があって、技術的に対応できないとお断りした案件もあったので、今回思い切って導入してみました。

この機械で出来ることとは、

  • 光ファイバー配線:光ファイバーケーブルを採用することでなんと45km先まで配線を延長することが出来るそうです
  • インカム機能:スイッチャーとカメラマンが意思疎通を図るためのトランシーバーみたいなもの。安価なパソコン用イヤホンマイクやiPhone用マイクなどが使えます。今回はかっこつけてゼンハイザー製のイヤホンマイクにしてみました。
  • 返しモニタ機能:カメラマンAとBがそれぞれ違った絵作りをするために、現在配信されている映像を見ることが出来る機能
  • HDMI&HD-SDI相互変換機能:これがあると、中継のカメラに家庭用などでおなじみのHDMIの信号を利用できます
  • 内蔵バッテリー:外の中継などで、カメラ側に電源が無くても2~3時間くらい使えます

などがあるそうです。

これまでだと、音声と映像で何本も線を這わせなきゃいけなかったり、1本で間に合わせようとすると太くて高いケーブルだったりと、なかなか敷居が高かったのですが、安価な光ファイバーケーブルで代用できるようになり、これまで以上のフットワークを発揮できるようになりそうです。

ケーブルは100mと300mをそれぞれ2本ずつ準備してみました。ケーブルを巻き取るドラムもホームセンターで売っているものを加工して自作してみました。買うと20万円くらいするようですが、自作すれば何分の一かの出費で済みました。

安く済んだ秘訣としては他にもあり、市販品は光ファイバーの周りを黒いゴムで覆っていて、踏まれたり汚れたりすることに耐性があるのですが高いです。そうでないこの黄色のケーブルはすごく安いです。その分リスクは高まりますが、値段の開きが10倍くらい違うので、予備を合わせて現場に持ち込めば大丈夫だろうと思っています。

最近のSONYのスタジオ用カメラでも同様のケーブルが用いられているので、丁寧に扱えばそんなに切れたりしないのかなという印象ですが、こればっかりは現場に持ち込んで使い込んでみないと分かりません。

また、この光ケーブルは、このようなBuffaloの光メディアコンバータという機械を使えば、LANケーブルの代わりになります。(というか、光ファイバーはLANケーブルの代わりに使うほうが一般的ですが…。)

これを使えば、LANケーブルの伝送制限100mを超えて、10kmまで線を延ばすことが出来ます。
先日の「こどもの音楽再生基金」の現場では東京エレクトロンホール宮城の中に100mのLANケーブルを引き回しましたし、50m位では足りない現場も何度かありましたので、ネット配信の現場では、こちらの方が使用頻度が高いかもしれません。できれば、近いうちに導入したいと考えている機材の一つです。

ということで、投資を回収したいので、東北でのネット配信の仕事があれば是非お声がけくださいませ。

三井物産環境基金2012年度9月助成団体交流会の撮影をお手伝いしてきました


三井物産交流会

2012/09/12~13に郡山市民文化センターで行われた、「三井物産環境基金2012年度9月助成団体交流会」の記録撮影への協力を行いました。

三井物産環境基金は、2005年7月、持続可能な社会の実現を目指して、地球環境問題の解決に向けたNPOや大学などのさまざまな活動・研究を支援・促進する基金として立ち上げられました。
2011年度からは、東日本大震災の地震・津波によって発生した環境問題を改善・解決し、持続可能な社会の再生を目指す復興への取り組みを対象にした「復興助成」も行っており、今回の郡山での助成団体交流会もその位置づけとなっていました。
この基金は主に三井物産の資金の他、役職員や退職者からの寄付も受け入れる仕組みとなっていて、役職員や退職者が案件を応募することや、助成が決まった案件の活動にボランティアとして参画することなども奨励しているそうです。

驚くべきはその規模。2011年度は、計4回の募集で採択件数が98件、総額11億8100万円もの助成が行われたそうです。
私の母校宮城大学も2011年度の復興助成枠で3回の採択を受けているようでした。

2日間にわたり、講演会、勉強会、交流会と濃いイベントでしたが、民間の基金が必要としている団体にしっかりと届いている様子を目の当たりに出来てうれしくなりました。お知り合いの方で資金があればもっと円滑に活動できるという団体がいらっしゃいましたら応募されてみてはいかがでしょうか?

9/13のお昼


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今日の現場で支給されたお弁当(というかおやつ)は、郡山市民のソウルフードと言われる、クリームボックス

Ustreamでおひねりが可能に![Ustreamチップ]


2012/8/16にUstreamAsiaのプレスリリースで発表された通り、Ustreamチップの利用が開始されました。

このプレスリリースから2日後に坂本龍一氏のUstream限定ライブが配信され、開始1時間くらい前から終わりまでずっと見ていた所、約30万円以上のおひねりが集まったようです。(最終的には50万円以上集まったとという噂も。)


■ポイント
・視聴者は一口100円から「おひねり」を配信者に送ることができる。
(決済方法は、クレジットカードまたは、電子マネー「BitCash」が使える)
・おひねりをすると、特典映像を見られるパスワードがメールで届く 。
(つまり寄付では無く、特典映像を自分が値段を付けて買うような形)
・おひねりした人のTwitterアイコンや現在集まった額、人数などがリアルタイムでわかる。
(これは、賛否両論あったので、もしかしたら今後すぐに仕様変更があるかも・・・)

 

それから約1ヶ月、この機能を利用した配信というのは無いように思います。

UstreamAsiaの担当営業さんの話では、「この機能の利用に際してはお金のやりとりも含むことから、3週間~約1ヶ月前から諸々の仕込みが必要。」とのこと。また、「集まったおひねりの中から決済システムの手数料(低めでの設定予定)を差し引いて、ほぼ儲けの無い金額で使ってもらえるよう、要望のあった配信者から順次拡大中です。」とのことでした。

とりあえずスタートしたばかりなので、いろいろ応相談と言うことだそうなので、NPOイベントの配信なんかは生中継して年会費を集める方法の他に、このUstreamチップが使えるんじゃ無いでしょうか?

弊社で配信する場合には、UstreamAsiaとの利用交渉を手伝いますので、お気軽にご相談下さいませ。

Blackmagicdesign ATEM シリーズ用の奥行きが無いラックマウントケース



BlackmagicdesignのATEMシリーズのスイッチャーやスタジオコンバーターは、19インチラックに設置できるようになっていて、表は真っ平らで、裏に端子が並んでいます。

これらのシリーズは奥行きが8cm~10cm位と大変コンパクトな設計になっていますが、多くの持ち運び用ラックケースは奥行きが30cmとか46cmとかちょっと長すぎます。手を入れようにも届かないので、いちいち配線を組み直すことの多い中継用途のケースとしては向かないような気がします。

このような、FUJIYA AVICで売っているケースも検討したのですが、ちょっと高い(2Uモデルで18,800円)し、音声コンバータのような奥行きは、私の環境では必要ないので、もっと使い勝手の良さそうなケースを探していました。

そこで目を付けたのが、SOUNDHOUSEで売っている、ROADREADYのRR4LCという照明コントローラやミキサーをマウントできる4Uサイズのハードケースです。5,800円とお値段もお手頃です。

ラックマウントレールが若干前に傾いていて、底よりも蓋の方が深さのある設計になっています。逆向きにマウントすれば、1M/Eスイッチャーもそのまま使えそうかな?と思い勢いで購入してみました。

しかし案の定、何mm位か蓋側の深さが足りなくて上手く閉まりませんでした。ということで改造にチャレンジ。お近くのホームセンターなどで下記のものを準備してください。

■準備するもの
・プラスドライバー(大きめ)
・六角レンチやスパナ(10mm位の小さなもの)
・M6サイズのナット・ワッシャー・スプリングワッシャー 各4個ずつ(各5~8円位で計100円以下)
・M5サイズのワッシャー 10個くらい(計50円くらい)
(お近くにネジを売っているホームセンターが無い場合はご連絡いただければ実費でお送りします。)

■作り方

(1)ラックケースの底側側面にある銀色のネジ片側2カ所(両側で計4カ所)をドライバーで外す。

(2)ラックレールを留めている黒色のネジ片側4カ所(両側で計8カ所)をドライバーで外す。

(3)取り外したラックレールを、買ってきたM6サイズのワッシャー、スプリングワッシャー、ナットで止める。六角レンチとドライバーを両手に持ってしっかりと取り付けてください。

(4)両側のラックレールを取り付けたら、スイッチャーを裏向きにして置く。スイッチャー側の穴が大きめにできているので、買ってきたM5のワッシャーをかませながら、ラックケースに付属のネジでドライバーで留める。

 

これでできあがり。ドライバーなどに慣れない女性でも10分くらいで取り付けられると思います。
スイッチャーの下には約3.5cmの空間があるので、ACアダプタやちょっとしたケーブルなどをしまっておくことができます。おためしあれ。

「青森県庁ライブコミュニケーションプロジェクト」に参加


スタジオの外の様子

先日は青森まで出張し、9/3から始まった青森県庁の新プロジェクト「青森県庁ライブコミュニケーションプロジェクト(通称ALCP)」のオープニングイベントに参加してきました。

このプロジェクトをざっくり一言で言うと、「県庁職員がこれから2年間、毎平日夕方に、Ustreamで県庁内スタジオから45分間の生放送を行う」というもの。

庁内ベンチャー制度を利用した、県知事お墨付きのプロジェクトですが、こういう事例が東北から産声を上げるというのはとても興味があるので、担当者さんにご挨拶といろいろ見学させていただきました。

右から、UstreamAsiaの中川CEO、青森県知事、県庁の担当職員の方。

打ち上げに合流し、お酒が入った席でも、担当の方たちと情報交換させていただきました。その席で感じたことは、いい意味でこのプロジェクトは変態がそろっているということ。庁内ベンチャーを立ち上げた担当者3人は言うまでも無く、アドバイザーとしてのヒマナイヌの川井さん(異名:ライブメディア界の長嶋茂雄、40歳の中学生など)、そしてUstreamAsiaの中川さん。

スタジオの中の様子

通常放送「あおもり県庁なう」の生放送は月曜~金曜の夕方16:30~17:15。がんばってください!